直線上に配置

エビ

腰が曲がるほどの長寿ということで入選したが、私は本件に関してだけは大いに異を唱えたい。

エビは生きているときは、概ねまっすぐに生きているのである。
茹でられて、死んだから腰が曲がっているのであり、決してめでたいワケではない。

紅白の色合いもご祝儀色であるという見方もあろうが、それだって加熱されたからで、海の中で健やかに生きているときは、黒の縞が地味な、不祝儀色なんです。

エビはおせちの中で、どうしても威張っている感が強い。それが、ケシカランという反感もある。
高価なおせちには伊勢エビが威張っているのを見かけるが、腰が曲がっている程度のめでたさで、そこまで威張っていいものかどうか、じっくりと反省してもらいたい。

芝エビが爪楊枝じの先に連なって佃煮になっているのは、かわいらしいと思うが、長野のイナゴの佃煮とパッと見も、味も変わらないように思う。

コンビニのセコいおせちの定番ですね。

 

栗きんとん

正月に食べるべき必然性は感じないから、きっと何かまた、間の抜けた駄洒落があるんだと思います。
残念ながら無学にして入選の根拠を知りません。
正直なところ、そんなに関心がないから調べたりもしません。

これくらいぼくにとっては興味がない、ということは、逆に栗きんとんのことがとても好きで、正月が待ち遠しいという人もいるのでしょう。
それどころか、好きな人は正月以外の時でも専門店(何の専門店だろう)を探し出して栗きんとんを楽しんでいるかもしれない。

確かに、正月以外はよほど探さないと見つからないような気がします。
ぼた餅が、お彼岸の時には、おはぎに変化するように、もしかしたら栗きんとんも正月以外の時は別の名前で通用しているのかもしれません。
そして、ぼくは行ったことないけど、甘味喫茶のようなところで昆布茶とセットになっているのかもしれません。

あれっ? 
冗談のつもりで書いていたのだけれど、昆布茶と栗きんとんの組み合わせは旨そうな気がしてきた。
今、一寸、食べてもいいかな、という気になってきた。
渋い煎茶と羊羹の組み合わせもいいなあ。
ノンベだから、甘いものはあまりほしがらないのだけど、羊羹の表面が硬くて、中が柔らかい、佐賀県の名物小城羊羹は好物です。

これからは、栗きんとんにも注目しそうな気がする。

 

筑前煮

登場するのは椎茸、蓮根、人参、牛蒡、蒟蒻、筍、鶏肉。
食べ物の漢字は難しいですね。パソコンが変換してくれるから、へー、こんな漢字なんだ、ってわかるけど、コンニャクを漢字で書くことは一度もないまま、人生を終えそうです。
料理本を見ると、ブロッコリーが入ってるのをよく見ますが、本当にそんなもの入れるんですか?

いえいえ、我が家では必ずジャガイモが入ります、というお宅もあるのでしょう。

筑前煮は、食物繊維が多そうで、飲み過ぎた肝臓にもいいような気がするが、地味である。
それでいて、おせちの三段目を丸ごと占拠するのは大したモノだと思う。
庶民が一斉蜂起したというか、そういう勢いを感じる三段目です。
人は見かけだけで判断してはならないということだろうか。

蓮根だけは、「見通しがよくなる」というヘンな理由を聞いたことがあるが、だったら、長いまま入れそうなものだ。
その他は味本意で選ばれたのではないでしょうか。筑前煮は定食屋の小鉢でたまに見かけることがあるし、コンビニやスーパーのお惣菜コーナーでもよく見かけるのだが、誰かが買うところを一度も目撃したことがない。
実に不思議なことだ。

自分も、出張の時にはいろんなものをコンビニで買うのに、筑前煮は一度も買ったことがなく、それでいて、嬉々として毎年作るのが更に不思議である。

 

残念ながら、突込みが入らなかった食材たち。次の機会を待つべし。

特に、餅、君は別格なので外しました。別項でひいきにする。雑煮とセットで。
我が家は、12月28日に、餅つき機をつかって、餅をつきます。それを全部、手作業で丸い餅にします。

その話は、次回。

がらくた写真館