鍋のある食卓

第ニ話 

平成初期の歌舞伎町にカキの買出し
カキを剥くという雑文と、鍋文がここでコラボする


秋になると、大分県の実家から、庭で取れた香母酢(かぼす)の実が届きます。

顔を見ると、お袋は、もうすぐ50になるぼくにいまさらの小言を言いたがるので、すぐけんかになるのですが、かぼすには素直になれます。
「おかあちゃん、これ、おいしいなあ」ってね。

目の前に、おかあちゃん、なる人物がいないからなんですね。


故郷は遠くはなれて思うもの近くによったら目にモノをみせるけんね





刃物三種

真ん中の包丁はデジカメ写真でも安物なのがみてとれる。
しかし、30年連れ添っている。

カキを剥くのは、ステンレスの洋食用のナイフがいい。
刃がないから安心。右のナイフ。

左の出刃は、自分で研いだことで、切れなくなった。
包丁研ぎに持っていこうと思うが、どこにあるのかいまだに調べていない。
ときどき軽自動車で研ぎに回ってくるんだけど、
最近めぐり合わせがよくないのか出会わない。
正月準備の前に、来てほしい。



土鍋のいい思いその1

最近でこそ、たくさん飲み食いできなくなりましたが、学生の頃は、いつも腹が減っていました。
中学生の長男を焼肉食い放題に連れて行くたびに、頼もしく思います。


お父さんは、絶対にモトがとれないんだから、その分はお前が取り返してくれよ、ってね。




市場でミカン箱大の箱一つ分、50個3千円の殻つきカキを購入。
平成になって間もない頃でした。
なにかうまいモンを食べたいなあ、と、いつも思っていました。まだ、30そこそこの頃です。

テレビでやっていた、殻つきのカキ。
う、旨そう。

即、行動。
その当時は行政道路に角上魚類がまだなかったので、電車に乗って西武新宿へ。
新宿歌舞伎町に、魚市場があって、一階では結構安く魚が買えて、二階では調理もしてくれたんです。
今はもうありませんが。

ちょうど50個入っていて、みかん箱くらいの大きさで三千円でした。
50個というのが数えて入れたのか、目方でいれたらたまたまだったのか、わかりませんが、一生に一度は、このような贅沢な思いをしてもバチはあたらないと思いました。

一生に一度くらいはバチはあたらない。
外で飲んだと思えば安い! 
の二つは旨いものを買うときに、自分を納得させて踏み切らせるための便利な言葉ですね。
皆さんも使うことがあるでしょう。



50個のカキ。
開けては鍋、開けては鍋の豪華カキ鍋。

このとき、生カキとして醤油でつまみ食いをしたのですが、生っていうのは意外と食べ過ぎることが出来ませんね。

ぼくのばあいは精々10個がいいとこ。


このあたりのことは、別の場所にも書いたけど、秋、土鍋、かぼす、カキ、、、来年も健康で、君たちと出会えますように、としみじみするのも、トトロの森が静かだからでしょう。

と、環境のせいにして、
 

昆布出汁でさっと茹でて香母酢醤油で食べる。
味が活性化して、実にうまい。だから、煮すぎてはだめ。

味噌味の土手鍋にはしないが、そこはお好みで。


一緒に煮た三つ葉も旨かったなあ。

カキが入っていた箱に殻を戻して、燃えるゴミに見せかけて捨てようという悪いことを思ったが、全部は入りきれなかった。

今考えるととんでもないことだが、15年前だから許してください。
ゴミ問題にぜんぜん目覚めてなかったんです。
歩きタバコもしてましたし、紙も再生紙ではなくてバージンパルプを好んで使ってました。
もうしません。


ゴミの処分については、どうしたかの記憶がない。



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